こだわり通信
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第92号 こだわり通信 

2011.3.16

【今月の目次】


今月のひとり言<見えないロープ>

いつもありがとうございます。
最近はよく「価値」バリュー≠フ時代といわれます。ご繁盛されているお店に共通することに、こだわり≠ニいう他店とは異なる圧倒的な強みを持っていることがあげられます。接客力や商品力や企画力などいろいろありますが、このような強みを全飲食店さんが持ったらすごいですねー! そんなに簡単なことではないと思いますが、無理なことではありません。
ではその可能性に一歩踏み出すには?

ゾウの赤ちゃんは、生後すぐにロープで木の杭にくくりつけられます。
しばらくはロープを解き放とうとするのですが、自分の小さな力ではどうすることもできないとわかると、あきらめて、その快適な空間で安住しようとします。
その後、ゾウは5トンもの巨体になり、簡単にロープを解き放つ力を持ちます。
しかし悲しいことに「自分はできない」と思いこんでじっとしています。
その結果、あんなに巨大なゾウが小さな木の杭にくくりつけられたままになっているわけです。
自分に繋がれているロープについて考えてみましょう。

あなたは真実ではないことを、自分や他の人に信じ込まされていないでしょうか?
自分を限定している思い込みやネガティブなイメージはありませんか?
もしそのロープを解くことができたら、あなたはどうなりますか?
失敗や人の目を気にせず、ロープを解き放ちましょう。
今まで「できない」と思ってきたことはなんですか?
それが見えないロープかもしれません。

お店の可能性は無限だと思います。
「やってやれないことはない、やらずに出来るわけはない」ですね。
柴田屋も挑戦し続けます!

柴 健宏

大好評さくらのワイン


白百合 さくらワイン先月のキャンペーン商品「さくらのワイン」が爆発しました。
当初予定していた120本は2月初旬には完売し、追加注文をしました。 なんと先月だけで300本を越え、これは単月のキャンペーンとしてはボジョレーヌーボー以来の数字です。
その理由についてご購入されたお店にお聞きしてみました。

  1. 色がきれいで春の季節を演出できる
  2. 甲州とブラッククイーンを使い、ほのかに感じる甘さも本格的
  3. 500mlという使いやすいサイズなのでグラスで提供しやすい
  4. 季節のメニューは女性客に人気がある

是非、この「さくらのワイン」を使って、常連様に春の演出をしてください。
毎年桜を見ると「日本人でよかった」と思うのでした!
たくさんのご注文ありがとうございました!

社長がゆく(1) 
<株式会社モトックス 取締役社長 平岡 篤様>

『人』との出逢いが未来を変えると思います。
私、柴 泰宏が「志の高い夢をもった人」を訪ね、様々な経験を通じて「生き方・考え方」を学んでいきたいと思っております。
今号より、「社長がゆく」と題しまして、私が出逢った人のレポートを掲載させていただきます。
第1回は弊社が大変お世話になっております、ワインインポーター株式会社モトックス、平岡社長との対談です。
宜しくお願いいたします。

※柴=柴 平=平岡

柴柴:いつもお世話様です。
私はモトックス様のワインが大好きで、また4月4日には3回目となります、合同試飲会もありますし、モトックス様をもっと知って頂こうとお忙しい中、お時間を頂いたわけです。
平岡社長は元からモトックス一筋なのですか。

株式会社モトックス 取締役社長 平岡 篤様平:私はですね、実は寺西会長の同級生で友人だったのです。
学校を卒業して、別の会社に就職していたのですけれど、私は特に出世をしたいとかがあんまり興味が無く、何か自身で取組んで仕事がしたいなあとずっと思っておりました。
卒業してからも寺西とは交流があり、3年ほど経った頃に現状に限界を感じておりまして、どう申したらよいのか、小さな組織で仕事を創っていきたいと思いだしまして、寺西に相談したところ、まあ、ウチでやらんかということになったわけです。

柴:二代目の寺西会長と一緒にモトックス様の歴史を作ってきたのですねえ。

平:私が入社した頃が丁度、大阪で中堅の地場問屋でございまして、本当に地場で商いしていました。こう言ってはなんですが、そういう会社はあまり「人」にはお金を使わない会社が多いのですが、どういうわけかアメリカやヨーロッパにワインの研修に行かせていただいたのです。
ヨーロッパに行ったことが、弊社がワインに取組むきっかけになったと思います。
この経験を大切に活かす為に、ワインアドバイザーを取らんといけないと。
実は私と藤田という社員が、弊社のワインアドバイザー1号でして。

柴:寺西会長もお受けになったそうですね。

平:ええ、会社の姿勢がトップ自らやる。
という雰囲気でしたので。それから社員に取らせるようにしていって、現在では営業だけでなく全員が取得するようになっております。

柴:最初は営業でもないのに、何故、勉強しなければならないのかと不満もあったようですね。

平:はい。しかし、ワインに特化しようとするならば、これは全員持ってなければならないと、なったわけです。

柴:柴田屋としてもモトックス様のワインの選定については注目しているのですけれど、どういう風に選んでいるのですか。

平:私自身も含めまして、最初からワインに詳しいわけではなかったので、これはもう飲んでみる、自分たちで美味しいワインを探し出すしかないって感じです。
弊社がワインに特化しようとしていた頃は、日本のインポーター様たちは、こう、なんでしょう名前でワインを選んでいたように思いますね。
弊社はそういった有名な産地のワインを高く買うというわけにもいかなかった。それで試飲して品質で選んでいったので、無名のワインが中心になっていったと思います。 現在は、エリアで担当する者たちが10名おりまして、この者たちが見つけたワインを全員、私も含めまして毎週試飲しております。
今週も80アイテムくらい試飲しました。私自身も試飲しますが、全員でやることによって社長の好み、バイヤーの好みになりすぎないよう気をつけています。
  消費者の好みもここ5年ほどで随分変わってきているように感じますが、生産者もどんどん変わってきております。それを見つけていくことが大事なのだと思います。

柴:そうですか、モトックス様はどういうフィロソフィーをお持ちでしょうか。

平:"Serviceable Company "と申しまして、便利なという意味があるのですが、それを 進めて「有能で役にたつ会社」がコンセプトです。
その上で<個人の成長><社会に貢献><会社の発展>を3本の柱としています あと、<お客様思考><品質思考><変革思考>を社員たちに伝えています。 特に変革には若い力が本当に必要だと思っております。

柴:ありがとうございます。
平岡様は2011年以降をどうお考えですか。ワインを切り口でお願いいたします。

平:そうですね。現在の市況を見ますと、レストランでボトルワインの価格がちょっと高いなあと感じることがあります。
お客様の求める価格とお店が出している価格に差がある。イタリア料理であればイタリアワインでなくてならないという時代ではないように思います。
ニューワールドでも良いワインがどんどん出てきていますので、そういったワインを上手に使っていただいてお客様にも視野を広げていただくと、ワインはこれからどんどん面白くなっていくと思います。
ただし、デフレ感に流され過ぎて安いワインというよりもミドルクラスのワインをおすすめしていったらお客様にも価値を感じていただけるのではないかと。

柴:4月4日はどんなワインをご用意いただけますか。

平:チリも含めて、ニューワールドの良いワインを揃えます。チリは特にレベルが上がってきていますので注目です。

柴:長い時間ありがとうございました。4月4日のシバの日のラインナップ、楽しみです!

この対談で私は2つのことを学びました。
「全員野球と変革」です。すでに世の中が決めた「ブランドワイン」ではなく、自分たち全員で選び抜いたワインを、自信を持って提案する。会社の一体感がお客様にも伝わります。
もう一つの変革ですが、 若い人にどんどんチャンスを与える、固定概念を捨てて、常に新しい取り組みにチャレンジする。勉強になりました!

立春朝絞りレポート
<開華様へ行ってまいりました>
立春朝絞りレポート

前号でお伝えいたしました、立春朝絞り生酒。当初120本の予定を大きく上回り192本のご予約をいただきました。本当にありがとうございました。
さて、立春朝絞りというくらいですから、朝に絞ったできたての生酒でなければなりません!というここで、柴田屋課長深田が栃木県は佐野市の開華様へ受け取りに行ってまいりました!

立春朝絞りレポート凍てつく朝に出発!
途中深田は、SAで事務仕事もこなす。さすが仕事一筋!
更に寒い酒蔵に無事到着。深田の隣はどうしても見てみたいとお客様がお付き合いいただけました。
既に、たくさんの酒屋さんや近所のお店の方たちが集まっていました。何か皆さん嬉しそうにしているのがとても印象的でして、この立春朝絞りを楽しみしている方がたくさんいることを実感いたしました。

立春朝絞りレポート杜氏の方から、今年の出来具合のお話しがあり、私が感動したのは、全国38の酒蔵で17万本造られるとのこと。
僅か17万本です。 これは希少だなあ、上手に使えばお客様も喜ぶし、売上に繋がる。
何より、この場にいることで造り手の想いや考えを直接お聞きできる。勉強になります。 酒の行事ですから、神主にも来ていただいて、全員でお払い。見ず知らずの人たちが集まっているの に、二礼二拍手一礼が揃っていたのが、皆さんの真剣さを表わしているように感じて、これも学びにな りました。

朝ごはんをご馳走になったのですが、さすが佐野。
ラーメンです。とても寒かったので、温まりました。ご馳走様でした。ラーメンを朝から食べるというのは、喜多方と佐野くらいじゃないでしょか。 これも文化だとまた一つ感心。
酒蔵の中など見学させていただいて、私は麹室が始めてでしたので、大変面白かったです。室は近代的なのですが、麹を覆っているのが布団!専用の布とかがあるのかと思っていました。 最後に「立春朝絞り」のシールを貼って、出来上がり。 お客様にお届けできる期待感が一杯です。
立春朝絞りレポートご予約いただいた192本を車に積み込んでいざ、柴田屋へ。
その場で試飲できない(運転がありますからね)のが残念。
配送、営業が手分けしてお客様のもとに。無事、お客様にお届けできました。

この催し、お店では絶対にご予約商品だなあと今回、感じました。
立春の日に、こんなお酒が手に入りますよ。とおすすめをしてご予約をいただく。そうすることによっ てお客様の確保だけでなく、そのお客様に特別感を持ってもらう。なんと言っても全国で38箇所、 たった17万本なのですから。この日、このお酒に合わせたお料理を用意しても良いように思います。
立春朝絞りレポート更にできるのなら、ご予約をいただいたお客様のお名前をお聞きしておいて、瓶にお客様のお名前の 入った札を貼って差し上げる。
そのお客様のためだけのお酒を演出できます。これは、絶対に使えます。
お酒を造る方たちに触れたことだけでなく、本当に学びと気付きの多い経験でした(眠いけど) 深田課長ご苦労様でした。
開華様、ありがとうございました。

 
「お客様応援室」より〜勝ち残る為に-1

皆さん、お疲れ様です。
2010年の居酒屋倒産件数が過去最大とのこと、お酒を取り巻く環境はまだまだ厳しいようです。 今号からは、お店が勝ち残っていくために何をすべきかを考えてみたいと思います。

IMCO(イムコ)、ZIPPO(ジッポー)さて、皆さん左の写真のモノをご存知ですか?
右の写真はご存知ですね。 上はIMCO(イムコ)、下はZIPPO(ジッポー)というメーカーの両方ともオイルライター。
最近、私がセミナーで煙草を吸わない女性に聞いてもZIPPOはまず、知っています。
ところが、IMCOの方は誰も知りません。どれくらい知らないかというと、羽田空港で私はIMCOで足止めされました。
「これは何か?」
「分解してみてください」等々。
なにか、爆弾かと間違えたのか・・・・。
でも、ZIPPOのライターが捕まったなどという話しは聞いたことがありません。 そう、ZIPPOはブランド化ができているので、誰でも知っているからですね。ちなみにIMCOは1918年にオーストリア政府が発注して作られたものです。ZIPPOは1934年。二次大戦中にアメリカ兵はZIPPOをオーストリアはドイツに併合されていましたので、ドイツ兵はIMCOを持っていたことになります。 IMCOの方が歴史は古いのですね。更に、機能を見ると、ZIPPOは着火するのにダブルアクションです。IMCOはシングルアクションで火が付きます。

私は1年くらい使っていますが、今までただの一度も一発で火が付かなかったことはありません。
更にIMCOは空気の流入調整ができます。オイルを補充するのも石を交換するのも、ZIPPOより楽にできます。
その上、東急ハンズで630円で売っています。 もちろん、ZIPPOにも良い点は有ります。音がいいとか、面がフラットなので名入れや 装飾ができる。これは機能ではありませんね。つまり、オイルライターの世界でZIPPO はブランド化に成功した事例と言えると思います。 機能的にも価格でもIMCOの方が断然優れていると私は思います。しかし、誰も知らないので当然、売れません。

飲食店に置き換えてみましょう。
「うちは料理は絶対に美味いんだよ」「他よりもいい材料を使っているから」「昔はたくさんお客様が来ていたんだ」と自己自慢、自己憐憫しても、お客様が来なければ、お店は潰れます。
どれだけ良い商品でも知られなければ意味が無いのです。
世界をお店の商圏だと考えてください。この世界の中で、皆さんのお店をZIPPOにできませんか。そのためには何をしていかなければならないでしょうか。何かを食べたいと思った時、誰かを連れて食事したい時、この料理はあそこが一番だよな等々、いろんな需要がお客様の脳裏に浮かんだ時に、皆さんのお店が思い浮かぶようになることが飲食店のブランドです。
ただ、いらしたお客様にお酒や料理を提供しているだけでは、例え美味しくても、安くてもお客様の記憶に強くは残りません。
家に帰ったら忘れてしまいます。お店を開けて待っていればお客様が来る。そんな時代ではないのです。
では、どうしていったらよいのでしょうか?もちろん皆さんのお店は大メーカーのように巨額の資金を使って訴求はできません。次号ではブランド化をするための行動について触れたいと思います。

      
編集後記

一世を風靡した「ちゃんと」が倒産し、2010年の居酒屋の倒産件数が過去最大であった。そんな厳しいニュースを聞きなが らの編集作業でした。

まだまだ市況は厳しく、これは基本的に良くなっていくことは、人任せではありえない。
1997年から見れば5兆円が外食から無くなっている。ふと外を見れば、寒さが緩んで梅の花が咲いている。もう3月なのですね。

3月、4月といえば人事異動の季節。歓送迎会の季節です。不況ですので昔のような派手な宴会は無いでしょうが、それでも仲間を送り出す。仲間を迎える。飲む機会は確実に増えていきます。宴会は新しい常連様を創り出す大きなチャンスです。

○差し込みやレジ前などに歓送迎会用のパンフはありますか?
○会社訪問営業、ポスティングなどしていますか?
○いつも来てくださるお客様の動向を知っていますか?
○ご予約を受ける時に、送られる方、迎える方のお名前を聞いていますか?聞いていればお店がして差し上げられるサービスはたくさん生まれます。
○新しい仲間は、新入社員だけとは限りません。きっと行きつけのお店を探しています。 少しでもお話しできませんか?
○新入社員、フレッシュマン、ウーマンです。最近の若者はそうでもないのでしょうけど、地方から来た方は、きっと気安く、安心して行けるお店を探しています。

ピンチは席捲のチャンスです。頑張りましょう!ありがとうございます。