- 第59回 こだわり通信
- 2008.6.12
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【今月の目次】
・こだわりの良店紹介「ラ・カシータ」
・お酒のまめ知識=@四季のある国のお酒 日本酒
・「お客様応援室」より〜「販促」ってナニ?毎度ありがとうございます。 前号であいさつ(礼儀)について書かせていただきましたが、今回はそれに引き続き『柴田屋の基本』 1. あいさつ 2. そうじ 3. 約束 の中の1つ。『そうじ』 について書かせていただきます。
なぜ『そうじ』か?1. 心を磨く
心を取り出して磨くわけにはいかないので、目の前に見えるところを磨く。 特に人の嫌がるところをきれいにすると、心も美しくなる。 人はいつも見ているものに心も似てくる。2. 謙虚な人になれる
どんな才能があっても、傲慢な人は幸せになれない。 人間の第一条件は、まず、謙虚であること。 謙虚になるための確実で一番の近道が「そうじ」。3. 気づく人間になれる
世の中で成果を上げる人とそうでない人の差は、無駄があるか、ないか。 無駄をなくすためには、気づく人になることが大切。 気づく人になることによって、無駄がなくなる。 その「気づき」を最も起こさせてくれるのが「そうじ」。4. 感動心をはぐくむ
5. 感謝の心が芽生える
感動こそ人生。できれば人を感動させるような生き方をしたい。 その為には自分自身が感動しやすい人間になることが第一。 人が人に感動するのは、その人が手と足と身体を使い、さらに身を低くして一所懸命取り組んでいる姿に感動する。
人は幸せだから感謝するのではない。感謝するから幸せになれる。 その点、「そうじ」をしていると小さなことにも感謝できる感受性豊かな人間になれる。そうじを通してピカピカの人生・感動の人生にしましょう!
柴田屋酒店 柴健宏
- “KODAWARI”の良店紹介
東京代官山「ラカシータ」 -
今回のこだわりの良店は、代官山にあるメキシコ 料理の店「ラカシータ」様です。
ご存知な方もいらっしゃるかと思いますが、シェフ の渡辺さんは、メキシコ料理・業界では、超が付く程 の第一人者であの「料理の鉄人」や「チューボーですよ」など人気テレビ番組にも何度もご出演された方で、 お弟子さんの数はなんと100人を軽く超えるそうです。
もともと、外語大学生時代にスペイン語を学びなが らバイトで出会った料理の世界にハマり、大学を卒業 後、単身メキシコへ料理の修業へ行き、帰国後、76年 にラカシータ様をオープンされました。
シェフがメキシコから帰国し、日本で感じたことは、 日本人の意識に「勘違いのメキシコ料理」のイメージ が定着してしまっていたことでした。皆さんもよくご 存知なチリビーンズやナチョス、それからひき肉を使 ったタコスなどは、アメリカンスタイルのメキシコ料 理で、実はメキシコにはありません。
また、よくメキ シコ料理は全て辛い!といったイメージで来るお客様 がラカシータ様で食事をされると、本場の味の種類や、 奥深さに、大変驚かれるようです。メキシコから帰国し当初は、メキシコ料理の認知度の低さか ら相当な苦労もあったようです。しかし、本場のメキシコ料理 を日本に広めたいと強く思うシェフの志により、本場のメキシ コ料理が少しずつ日本人にも認知され、沢山のお客様に指示していただけるようになり、今日まで至っています。
シェフはまだまだ、日本人のメキシコ料理に対するイメージ は誤解が多いとおっしゃっています。私達も日本食(お米)が全て 醤油臭いとか、しょっぱいだとか偏ったイメージを海外 の方にもたれると、日本人として少し寂しい気持ちにな ると思います。
メキシコには主食のトルティージャがあります。
ラカ シータ様では、本場のトルティージャを思う存分堪能で きますので、みなさんも一度食べに行ってみて下さい。[店名] メキシコ料理の店 ラ・カシータ
[住所] 渋谷区代官山町13−4 セレサ代官山 2F
[TEL] 03−3496−1850 -
柴田屋酒店 北爪正明
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★ お酒の生い立ち
“ひとつの民族はひとつの酒を持つ”といわれるほど世界中には様々なお酒があります。
お酒の原料には、そのお酒が最初に造られた地域で、一番手に入りやすいものが選ばれました。
なぜなら、お酒の原料は、基本的に食糧の加工品であることから、ある程度量的に余裕がある必要があったからです。つまり、お酒の原料は、そのお酒を発明した民族の生活エリアに充分に存在するものでなければならなかったわけです。
例えば、日本で清酒の原料がお米になったのは、日本ではお米があらゆる食糧のなかでもっとも豊富だったからといえます。★ 日本酒と食の関係
* 日本酒が、お酒だけでも、料理と合わせても美味しいわけ。
日本酒の味わいの主体は、「甘味」と「旨味」。だから、お酒だけ飲んでも美味しいし、どんな料理と組み合わせても、良い相性を示します。
一方、ワインの味わいの主体は、「酸味」と「渋味」。また、ビールの味わいの主体は、「苦味」と「発泡性」、さらに低アルコールであるという点で、喉の渇きを潤す「水の代替品」としての役割があります。* 組み合わせの基本
日本酒と料理を組み合わせるポイントの基本は、次の通りです。「甘い料理には甘口のお酒」
例えば、「鰻の蒲焼き」や「煮魚」、「すき焼き」などには、甘口のお酒が合います。辛口のお酒と組み合わせたら、バランスが崩れて、お酒がひどく辛く感じたり、料理の味が変わって感じたりします。また、酢の物のように酸味の多い料理にも甘口のお酒が合うようです。「濃い味つけの料理には濃厚な旨味を持つお酒」
例えば、味噌仕立ての鍋物や、煮込み料理には、どっしりした濃醇タイプのお酒が合います。スッキリした淡麗タイプのお酒と合わせると、お酒が水っぽく感じたりします。「淡白な料理には、淡麗タイプのお酒」
例えば、刺身などのように淡白な素材の味わいを活かすためには、あまり主張の強くない淡麗タイプのお酒が合います。なかでも、マグロやカツオ、さんま、いわしなど、味の濃い魚の刺身には淡麗辛口タイプがおすすめで、タイやヒラメ、フグなどの淡白な白身魚などには、やや甘口の淡麗タイプのお酒が合うでしょう。「しょっぱい料理には、酸味の多いお酒」
例えば、塩分の多い塩辛や、漬物などは酸味の多い濃醇タイプのお酒がいいようです。よく、生牡蠣にはフランスワインのシャブリがいいといいますが、シャブリは酸味の多い辛口ワインです。同じように酸味の多い濃醇辛口のお酒なら、シャブリよりも生牡蠣の味わいを引き立てます。「脂っこい料理には、アルコール分の低いすっきりした淡麗辛口タイプのお酒」
例えば、「てんぷら」のように脂分は多いのに味そのものは淡白な料理には「夏の生酒」のなかでも軽い味わいのものがいいでしょう。「冷たい料理には、冷たいお酒。温かい料理には温かいお燗酒」
例えば、猪鍋のような暖かい鍋物に冷たいお酒を合わせると、肉に脂分が口の中で固まり、ザラついた感じでしつっこく感じます。 お刺身の場合には、常温かぬる燗がいいでしょう。お魚の脂分をお酒が適度に融かして、より一層美味しくなります。しかし、熱燗では、魚が口の中で半煮えの状態になるため、あまりおすすめできません。★ 地域による日本酒の特性
日本酒の味わいは、その土地その土地での食文化に鍛えられてきました。その結果、お酒の味わいは、そのお酒が造られた地方の料理とよくマッチし、それが地酒の個性となっています。
* 外海に面した地域のお酒は、淡麗タイプが多い。
カツオやマグロ、イワシやサンマなど、太平洋などを回遊する運動量の多い魚は味が濃く、それを刺身などで、よく食べる地域のお酒は、淡麗辛口タイプが多いといえます。 刺身の味を殺さない淡麗さと、醤油の辛さがマッチしたと思われます。
例、主に太平洋沿岸地、日本海沿岸の山形県庄内地方、新潟県、富山県、福井県北部など。* 内海に面した地域のお酒は、甘口タイプが多い。
タイやヒラメ、カレイ、タチウオなど、内海にいる定住魚は、淡白な白身の魚が多いく、それと相性がいいのは、甘口で旨味の多いタイプのお酒が合うと思われます。
例、京都北部・若狭湾沿岸、岡山県、広島県、香川県、愛媛県、大分県、佐賀県など。* 内陸部のお酒は、濃醇タイプが多い。
交通の便が悪く、冬は雪に閉ざされるような地域では、塩分の多い、漬物や味噌などが発達しています。食品塩分とお酒の酸味は相性がよいため、酸味の多い濃醇タイプのお酒が多くなったと考えられます。
例、岩手県内陸部、福島県会津地方、長野県南信地方、岐阜県飛騨地方など。★ 季節による日本酒の特性
日本酒は、世界で唯一、季節ごとの味わいを楽しめるお酒です。また、不思議なことに、日本の季節の旬の食材と相性がいいだけでなく、飲み方も不思議に季節と合っています。
* 冬から春のお酒「しぼりたて」
* 初夏から盛夏のお酒「夏の生酒」
しぼりたての新酒は、甘味や酸味、アルコールなどの成分がまだ馴染んでいないため、香りは甘く華やかで、味わいは少し粗々しく、軽やかでフレッシュです。また、少し苦味を感じる点も新酒の特徴といえます。 そんなしぼりたての新酒には、春先の白身魚や貝類、山菜など、淡白でフレッシュな苦味を持った食材とよく合います。飲み方は、そのままの常温で。
例.天ぷら(サヨリ、シラウオ、ふきのとう、タラの芽など)
出来上がって数ヶ月たった生酒は、新酒のフレッシュさを残しながらも、口あたりは滑らかになっています。軽やかな旨味と、サラサラとした味わいは、夏野菜や川魚などとも相性がぴったりです。飲み方は、冷やした冷酒で。
例.夏野菜のサラダ、そら豆、えんどう豆、のぼり鰹の土佐造り、鮎の塩焼きなど* 初秋から晩秋のお酒「ひやおろし」
ひと夏を過ぎて、まろやかに熟成し、香りと味わいが調和した「ひやおろし」は、脂ののった魚や、野趣風味溢れるきのこ類など日本の秋の食材に最適です。
常温か、上燗(43度前後)がぴったり。
例.きのこ鍋、サンマの塩焼き、おち鰹の刺身など。* 初冬から冬のお酒「熟成酒」
冬を迎え、さらに深みを増して濃厚にな旨味になった熟成酒は、味の濃い温かい冬の料理といい相性です。 上燗から熱燗(50度程度)まで鍋物全般、ブリの照り焼き、筑前煮など - 「お客様応援室」より~「販促」ってナニ?
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こだわり通信愛読者の皆様、おはようございます。
日本経済新聞5月14日号一面に外食産業の58%が今年度に値上げを計画しているというニュースが出ています。この中で居酒屋・パブ業態では64%が値上げという反面、値下げを計画している比率が12%あるというのは特筆です。
もう一点、日経レストラン5月号の特集「人を採らない経営のすすめ」は是非お読みになることをお勧めします。それが全て正しいとは思いませんが、気づきがきっとあると思います。先日、新富町の「潤菜 どうしん」というお店に行ってきました。四名席が2つと二名席が1つの小さな精進系和食のお店です。お料理はおまかせだけで、ご主人が典座料理を学んだのでしょうか、出汁などそら豆やえんどう豆のガラから取っていたりで案外面白かったです。
お会計を終わらして店の外に出たら(店は二階です)ご主人が外で待っておられまして、私の姿が見えなくなるまで深々と礼をしていました。旨い不味いは別としてまた行こうかなと思えたのはこの姿勢の成果だと感じます。銀座の「鮨一」というお店も腕も味もまだまだの鮨屋ですが、やはりお客様がお帰りになるときは担当した職人がお客様の姿が見えなくなるまで礼をしています。その姿勢と想いがお客様を繋いでいくのだと感じています。お客様がお店を育てていくそんな空気感があるお店というのは通いたくなるものです。
さて本題です。柴田屋のお客様である串焼き屋さんが面白い販促計画を立てました。ご紹介したいと思います。
店長が発想したのは、常連様を作りたい。スタッフみんなが参加していけるようにしたい。そしてお店を良くしたいとなかなか欲張りなところから始まりました。最終的に[会員制度]を作ってお客様に会員になっていただく販促を計画しました。 会員になっていただく流れは以下の通りです。1. お客様の会計時か落ち着いた時により多く接客したスタッフが「何か美味しいと思ったお料理がありましたか」と聞きに行きます。
2. 専用のカードを用意しておき、お客様に美味しいと言っていただいた商品をカードに記入して「次回、このカードをお持ちいただけましたら美味しいと言っていただいた商品を無料に致します」とカードをお渡しする。 ※人数が何人でもOK、宴会料理は受けないが宴会料理に入っているグランドメニューはOK。
3.カードをお持ちになってお客様が再来店なさったら、お名刺をいただくか、専用の記入用紙にお名前やご住所、アドレ スをいただく。この時に会員のシステム説明をします。
4.お名刺、用紙に記入していただけたお客様には、3の時に接客したスタッフからDMを出す。基本手書きにするそうです。この葉書にもサービスを付ける。
5.葉書をお持ちになって来店いただけたお客様には(3回も来ていただけたらもう常連様!)会員証をその場でお作りしてお渡しする。
※会員証には毎回サービスがある旨記載されています。
※会員向けのサービスは毎月月替わりにする。これで、常連のお客様を獲得し、お客様が新しいお客様を紹介していってくれたら嬉しいとのことでした。
みなさんどうお思いになりますか?値引き割引きが恒常的になってしまって儲からない?経費がかかりそう?面倒くさそう?いかがでしょう。私はこの販促プランはとてもよくできていると思います。成功することを祈ります。
何故この販促が優れていると私が思うかは触れません。このお店の了解無しで公表していますし、内容に言及するとこの販促の本当のポイントに触れざるを得ません。それはこの販促をプランした店長に申し訳ないので、すいません。
もし、ご興味がおありでしたら営業にお伝え下さい。直接お会いしてご説明させていただきたいと思います。 新緑が過ぎると梅雨です。食品事故に気をつけましょう。お客様応援室 KHM有限会社 出 和樹