- 第54回 こだわり通信
- 2008.1.8
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【今月の目次】
・“KODAWARI”の良店紹介 東京麻布十番「麻布十八番」
・ドメーヌ・ルフレーヴの醸造長が生み出すワインとは?
・「お客様応援室」より〜アルバイトは何故辞めるのか(5)皆様!明けましておめでとうございまーす!!!
昨年は格別のお引きたてを賜り、本当にありがとうございました。弊社、柴田屋酒店も厳しかった激動の2007年を何とか無事乗り越え、この新春を迎えることができました。これもひとえに皆様方のおかげと感謝いたしております。昨年は外食産業にとっては大変な年でした。その理由の一つに食に関する問題が多数起こったことがあげられると思います。数えてみたらこんなにありました。
2007年1月 『不二家』 消費期限切れの牛乳を使用 商品の消費期限を偽る
2007年6月 『ミートホープ』 食品表示を偽る
2007年8月 『石屋製菓』 賞味期限を改ざん
2007年10月 『比内鳥』 比内鳥と偽って別の鶏肉や卵を販売
『赤福』 製造年月日・消費期限の改ざん
『船場吉兆』 消費期限・賞味期限を偽って販売 牛肉の産地を偽る
2007年11月 『日本マクドナルドのフランチャイズ』売れ残りサラダ調理日時を改ざん
2007年12月 『ローソン』 期限切れおでん販売ひゃ−すごい数ですねー。
消費者の信頼を失うのも無理もありません。 しかーし、今年はいい年になりますよー。いや!柴田屋からいい年にしていきます。ここでいい年にするためのコツ≠一つご紹介します。(経営計画書より)こうすれば決断できる!決断すれば夢を手にする!
*決断することが、全ての出発点だ
*すぐにやらなければ、何事も先延ばしになる
*結果は努力すればついてくるものだ
*決断の繰り返しで自分を強くできる
*決断しなければチャンスが遠のく
*若いから思い切って決断できる
*決断すれば夢が実現できる
*決断することで得るものはあってもなくすものはない
*決断すれば楽しい人生が待っている
*決断すれば知恵が湧いてくる
*決断すれば周りに人が集まる
決断をすることで初めて物事が前に進むのですね。今年はどんどん前進していきましょう。今年もよろしくお願いします。
柴田屋酒店 柴健宏
- “KODAWARI”の良店紹介
東京麻布十番「麻布十八番」 - 今回のこだわりの良店は、麻布十番にありますアンチエイジングレストラン、「麻布十八番」様です。
飲食店の多い麻布十番のなかで、アンチエイジング(抗老化、と訳せましょうか、または人生という時計の針を少し戻して進みを遅らせる、という表現もとれましょうか)というコンセプトを掲げ、からだが喜ぶ本当のおいしさを追求されております。基本スタイルとして5つ掲げておられますのでご紹介します。
- 揚げ物は作らない
- カット野菜、冷凍野菜は使わない
- 料理に砂糖は使わない
- 人工的な保存料などは使わない
- 電子レンジは使わない
「うーん、なるほど」と思わせられます。こだわりを感じますよね。
料理でのおすすめコースとして、「肝機能向上」(12月)、「冷え性対策」(1月)というように毎月テーマが変わる「アンチエイジングコース」があり、体にやさしくおいしい料理が並びます。テーマを毎月変え、その内容に沿ったメニューを考えるのが大変だということです。ワインのほうは自然派のフランスワインを中心に幅広く取り揃えられており、最近アイテムが増えて充実のラインナップとなっております。 天井の高い明るい室内空間も開放感があり、女性客が全体の8割を占めるということが納得できます。食事、環境を総合的に「アンチエイジング」した麻布十八番様にぜひ行かれてみてはいかがでしょうか!
「麻布十八番」
港区麻布十番2-7-5 イプセ麻布十番1階
03-5443-5757
柴田屋酒店 阿部貴司
- ドメーヌ・ルフレーヴの醸造長が生み出すワインとは?
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ブルゴーニュ最上の白ワインとして、名声をほしいままにしているドメーヌ・ルフレーヴ。その醸造長を務めているのがピエール・モレ氏その人である。現在に至るまで20年近く務めているが、それ以前はムルソーで絶大な人気を誇るドメーヌ、コント・ラフォンのいくつかのワインの生産も行っていた。そんな氏は実は自身のドメーヌも運営を行っている。それが本日ご紹介する「ドメーヌ ピエール・モレ」と「メゾン モレ・ブラン」である。輝かしい氏の経歴だけでも生み出すワインへの期待が高まるというものだが、その腕前に加え、ドメーヌではブドウ樹の栽培には今大きくクローズアップされている、“ビオディナミ”を採用している。
ビオディナミとは20世紀前半、オーストリアのルドルフ・シュタイナー博士が発表した理論。自然が天体の運行から受ける影響を考慮し、宇宙の情報を植物に取り入れていく。これにより植物が本来持っている生命力を最大限に発現させることができるという。少々、オカルトにも聞こえる側面もあるが、農薬や化学肥料を排除し、堆肥などの自然界のマテリアルを活用することで、土壌が活力を取り戻すことは経験的に確かめられている。また、ピエール・モレ氏のワインはまさにブルゴーニュにおける高品質ワインのトップと言えるもの。氏のようにビオディナミという手法を活かして、本当に甘美なワインを生み出す作り手はまだまだ少ない。
ドメーヌはピエールに20代半ばの娘アンヌも手伝うが、現在のようにジャーナリズムで畑での耕作が大きく取り上げられる以前から化学肥料や農薬等は使用せずに、ほとんど有機栽培でぶどうをつくってきた。そしてピエールも、80年代後半からビオに取り組んできたルフレーヴでの成果等を見極め、90年代を通じて本格的な移行への準備を徐々に整え、1998年以降は100パーセントビオ=ディナミでの栽培を開始、2001年には認証も得ている。このように氏のビオディナミが本物であることはその年月を重ねた研鑽がしっかりと裏打ちしていることがお分かりいただけるだろう。
ピエール・モレ氏のワインには2つの種類がある。ひとつはドメーヌ・ピエール・モレ、もうひとつがメゾン・モレ=ブラン――ブランは伴侶の旧姓――で、ピエール・モレは純然たるドメーヌ産である一方、モレ=ブランのほうは所謂ネゴシアンものとなる。ただネゴス製とはいってもモレ=ブランもドメーヌものと全く同じしつけがなされていて、ぶどうも、ピエール自身が買い付ける畑での管理をおこなうなど、ほとんどドメーヌ産と同じ栽培がなされている。出来上がるワインの風味、味わいもなべて同水準だが、較べると若干モレ=ブランのほうに開きが早く感じられる。
ワインはピエス(225リットル入りのオーク樽)での発酵、熟成――アリゴテ等はフードルも併用――でつくられるが、新樽の割合は決して高くなく、ヴィンテージにもよるがプルミエ・クリュとグラン・クリュで3分の1、ヴィラージュで4分の1ほど。骨格のしっかりしたつくりのため、若いヴィンテージの場合開くまでに時間を要するが、ワインはバランスのとれた、さすがルフレーヴのつくりを担っているだけの素晴らしさが感じられる。ただ、タイプは異なり、ルフレーヴに見られる圧倒するような果実のパワーが押し寄せてくるといったワインではなく、よりしなやかで、それぞれのアペラシオンのテロワールを素直に体現しているもの。それはピエールが本拠を置くムルソーによく表れている。コート=ドールでも一、二を争う広い産地で、つくり手の数も多く、なかなかその典型を感じとることが難しいアペラシオンだが、このピエール・モレのワイン、まさに教科書通りの、ムルソーとはかくあるべきと思わせる「舌からウロコのワイン」である。
白で名を成しているピエール・モレだが、彼が生み出す赤も知る人ぞ知る優美な1本。しなやかな果実味の滑らかでうまみのあるワインは、テロワール毎の異なりがよく感じとれる素直なもので、白と同様バランスに優れたもの。ピエール・モレは白のみ、またブルゴーニュ赤でのひいきのつくり手を探索中、というような愛好家にぜひとも試していただきたいピエール・モレの赤である。
- 「お客様応援室」より 〜アルバイトは何故辞めるのか(5)
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こだわり通信ご愛読の皆さまおはようございます。
私がこれを書いているのが12月12日、今週末が忘年会のピークで 各お店は1年で一番忙しい日々を迎えようとしているところです。今年の状況を私の契約先等に少しヒヤリングしてみましたが(忘年会需要のある業種業態)宴会の予約、問い合わせは昨年より多い、もしくは変わらないのだがフリーのお客様と21時以降の入店が全然駄目で前年割れ状況というのが目立ちました。私自身の街中体感も同様です。 あと一部の店舗レベルで感じたのが、何かまだ昔の良かった感覚が残っているのか、これからまだまだ美味しい予約が入ってくるから席の空きを作って予約のお問い合わせを断っているという話しを聞きます。それぞれのお店の考え方もあるのでしょうけれどこのままだと、結局席が空いたまま今年が終わってしまうような気がいたします。状況の変化にお店を変えていけないとか昔の感覚が抜けきれないとか、「茹でカエル」状態になって毎年前年を割り続けていく。前年で見れば90%台でも3年前にさかのぼってみると60%台になっているなどということが起きていないでしょうか。「変化」=「進歩」の考え方が本当に必要な時代になっているように思います。
さて前号の続きです。アルバイトさんが辞める最大の理由は「店長との人間関係」と前号で取り上げました。アルバイトさんとのコミュニケーションを皆さまはどうなさっているでしょうか?ポイントとなることを挙げてこのシリーズを終わりたいと思います。
- 挨拶 : コミュニケーションの基本は挨拶です。出勤したアルバイトさんの目を観て明るい挨拶ができていますか。 それがお店の当たり前の行動になっているでしょうか。
- 理解する : 英語で「理解」はUNDERSTANDと言います。UNDER=下に STAND=立つ 謙虚なスタンスが人を解かる第一歩ではないでしょうか。
- それぞれ : 人はそれぞれです。成長も仕事の習得度も千差万別です。教育方法やアプローチ、言い方を画一にして「あいつは駄目だ」と判断していませんか。
- 公平 : アルバイトさんを公平に観ていますか。公平は平等とは異なります。その違いをまずはわからなくてはなり
ません。 - 褒める : きちんとできたことを褒めていますか、褒めることはお店の求めるレベルを教えるとてもよい機会です。 「やってみせ いってきかせて させてみせ ほめてやらねば人は動かじ」と山本五十六も言っております。
- 叱る : 怒るは感情のなせることです。叱るは愛情と指導です。ここで何か注意したら辞めちゃうかなあと躊躇するとアルバイトさんは皆さまへの敬意をなくします。
- 観ると聴く : これは最初に取り上げましたね。一人ひとりをしっかりと観ていてあげる。一人ひとりの話を真摯に聴いてあげる。それが面倒でしたら人を使うのはあきらめるべきでしょう。
以上七点をお店という組織単位で行える方法があります。それは「朝礼」です。皆さまのお店で朝礼をしていますか。 そんな時間はない。スタッフの人数が少ないから必要ない。やり方がわからない等々で行っていないお店。行ってはい るけど、別に何か効果は感じないという方もいるかもしれません。
いえいえ「朝礼」はきちんと行うとお店は変わりますよ。そんなお話を次号で行いたいと思います。お客様応援室 KHM出 和樹